特徴のない顔

手足の指はすでに痺れていた。

 

頭の中では、ビリッ、ビリリッと閃光が走る。

 

陸に釣り上げられた魚のように、口をパクパクさせた。

 

快楽の衝撃波はすぐそこまで来ている。

 

(あ、ああ、おううっ……!)

 

次の瞬間、ブレーカーが落ちたように視界は暗転し、耳はツーンとして、今日子は最初の絶頂へと打ち上げられた。

 

全身が制御不能になり、あらゆる筋肉が子宮に向かって収縮していく。

 

やがて、ガスマスクの中を反響している荒い呼吸音に気づいた。

 

両腕はがっしりと男の首に巻きつき、腰を男の腰に擦りつけている。

 

どれも本能が命じた躯の動作だ。

 

(このひと、信じられない、スゴイ)

 

今日子は、自分の目と口から涙と唾液が出ているのに気づいた。

 

口の方は、もしかしたら泡を吹いたのかも知れない。

 

本当に窒息してしまう。

 

(このまま、死んでもイイかも……でもその前に……)

 

徐々に今日子の筋肉が弛緩していくのを感じたのか、男はゆっくりと腰の律動を再開させる。

 

今日子は男の尻に手を当てて、その動作を抑えるよう意思を伝えた。

 

男もそれを察知して動きを止め、ガスマスクの奥の今日子の目をのぞき込む。

 

「下に、なって……そう、下に」

 

最初、少し声が小さかったか、男がよくわからないという表情をしたので、今日子は言い直した。

 

男は素早く体を裏返す。

 

二人は体を入れ換えた。

 

今日子が男の腰にまたがると、男は体をずらせた。

 

会ったときは特徴のない顔だと思っていたが、今こうやって見下ろすと、愛おしさを覚える。

 

今日子は、失った躯の一部を取り戻すかのように、男の肉棒に手を添えて蜜壺の口に当てる。

 

(うっ、あ、あああ……喉が詰まりそう……)

 

女体を裂くように貫入した欲棒は、喉どころか、脳天の奥底まで届いたようだった。

 

バランスを取り戻した今日子の背中に手を回して抱き寄せると、男は、小ぶりながらも形の良い乳房に口づけた。

 

(ああ、上手、とろけてしまう……)

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